「ポーセリンペインティング」とは、食器の表面に絵を描く事を言います。他に「上絵付け」「チャイナ・ペインティング」とも呼ばれています。釉薬をかけた器(いわゆる家庭で使用している白い食器、タイル、花瓶等)に特殊な絵の具を使用し絵を施し焼成したものです。その中でも磁器(Porcelain=ポーセリン)に描くことを一般的にポーセリンペインティング(Porcelain Painting)と呼びます。基本的には磁器の中でも真っ白い磁器=「白磁」と呼ばれる磁器を使用します。

 ドイツ「マイセン窯」・イタリア「ジノリ窯」・フランス「リモージュ窯」等の白磁器が日本では有名です。

 ポーセリン・ペインティング手法は様々ありますが、ここでは主にヨーロピアン・スタイルを紹介していきます。特徴は、絵柄を伝統的なそれぞれの名窯の手法で描く方法で代表的な手法としては、マイセン手法、ドレスデン手法、KPM手法、ロイヤルコペンハーゲン手法等があります。

 また、白磁器の白い部分を重視して残すこともヨーロピアン・スタイルの特徴の1つです。



 ヨーロピアン・スタイルを描くのに要する日数としては小さなものでも2〜3日かかります。それは色を2度、3度と重ね深みや陰影を出していくからです。一般に「第一塗り」を「ファーストコーティング」、「第二塗り」を「セカンドコーティング」と呼びます。

 専用の粉末絵の具をペインティングオイルで溶いたものを使用します。オイルは速乾性を使用します。速乾性オイルで描いた物は2時間〜1日程度で乾燥します。

 乾燥した上から焼成せず再度色をかけていくことは可能ですが、実際は1回のペイント毎に焼成し、その上から第2、3コーティングを施すことがほとんどです。

 小さいものであれば第2コーティング、大きなものになると第3、4コーティングと描くことにより深みのある作品に仕上がります。

 ただし、プロは途中で焼成せずに、1回焼成のみで描きます。それはまさに神業に近い熟練された技です。

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